有川浩の「レインツリーの国」を読みました。
以下、読んでない人には、かなり分かりづらい感想(のようなもの)。
有川さんは「ライトノベル作家」の印象しかなく、全く興味がなかったんだけど。
「Story Seller」というアンソロジーの中の短篇がとても良かったので、読んでみました。
本を読んであんなに泣いたのは久しぶりだったから。
障害者のネット恋愛がメインテーマだったので、共感しつつ読みました。
20代後半を思い出すなあ……
確かに自分もこんな感じだった気がするわ。
ヒロインの「ひとみ」は聴覚障害者で、かつ「めんどくさい」性格の持ち主。
わたしも障害者ってところを取っ払っても、かなり面倒な自信あります。
30代に入って(結婚して?)多少落ち着いてきたとは思うけど。
ネット上では健常者として振る舞いたい気持ち、わかるわー。
夢の世界のなかくらいは、普通の女の子でいたいのよね。
わたしも最初の3ヵ月は隠してました。
ウソをついているのが苦痛で、公表してしまったけれど。
でも、直接会う人には、自分の障害のことはちゃんと話しておいたなあ。
外見でわかってしまう、というのもあるけど。
階段が苦手だったり人目が気になったりで、相手に迷惑がかかったら申し訳ないもの。
だから、ひとみが障害のことを内緒にしたまま会ったのは理解できないです。
次につなげたいから会うわけでしょ?
気づかれなかったとしても、「また会おう」って展開になるのが自然でしょ?
女性の同僚にいじめられたままでいるのも、共感できなかったわ。
わたしなら、「わたしの障害はこういうのだから、できればこういう風にしてほしい」って言うもん。
そうしなければ、仕事にも支障が出ると思うのよね。
作者の身内に障害者がいるのかと思ったけど、そうではないらしい。
参考文献や、聴覚障害者へのアンケートで、この作品を書いたようです。
すごーい。
体験談を、ねじまげずそのまま書いてくれたのだなあ、きっと。
恋に悩んでるときに読みたかったなあ。
きっと元気になれたと思うわ。